十五夜と成仏

( 初出 2012/9/29 )

一年のうちもっとも美しいとされる中秋の名月十五夜の月。
明治まで用いられていた陰暦、旧暦の8月15日の月を指します。
現在用いられている新暦(太陽暦)の9月15日前後とおもわれがちですが
昨年は9月12日、今年は9月30日、来年は9月19日というように実際にはかなりの
バラツキががあります。

また、地球のと月の公転の関係上、十五夜といえど満月にあたる場合のほうがまれで、
1日~2日ずれるのだそうです。
ちなみに昨年、今年、来年は夜に満月を迎えます。

御書にも一カ所、旧暦の八月十五日に触れた一文があります。

法連抄に
「仏は四十二品の無明と申す闇を破る妙覚の仏なり、八月十五夜の満月のごとし」とあり、対して菩薩は人間がもつ四十一品の無明を克服し成仏の
一歩手前の境涯であるということから十四夜の月のようなものであるととかれています。
四十二の無明惑についての説明はここでは省略します。
成仏へむけての修行をして最後にでてくるとされる「元本の無明」を克服したかどうかが
仏と菩薩の違いだとされているのです。
そして御義口伝には
「元品の無明を対治する利剣は信の一字なり」
つまり元本の無明を破るのは「信」であると断言されています。

しかしこれは菩薩になれば放っておいてもお月様のように満月を迎えることができる。
つまり成仏の境涯である仏になるという意味ではありません。

教典には「乞眼のバラモン」の譬えがあります。
釈迦の弟子、智慧第一の舎利弗(しゃりほつ)が六十劫もの長い間菩薩行を修行したが
途中で疑いをおこし、成仏になかなか至れなかったというものです。
菩薩の行はざっくりいえば他者を成仏に導くという修行ですが、酷い目にあわされたと
いう理由で相手の仏性を信じられなくなれば、自身の成仏に至らず相手も救えないと
いう事だとおもいます。
日蓮大聖人はそれを満月まであと一歩の「十四夜」とされたのでしょう。
もう一息のところでも自分の心に「不信」が芽生えれば満月(成仏)にはなれないのです。

視点をかえてみましょう。
9/20の聖教新聞の名字の言にこんなエピソードが紹介されていました。

「脳科学者の池谷裕二氏の講演で、興味深い話を聞いた。20歳前後の若者と、
 60代から70代の高齢者に、それぞれ単語のリストを見せ、記憶力を比較する実験。
事前に「これは心理学のテストです」 と伝えて行うと、年配者と若者の正解数に、
ほとんど差はなかった▼ところが「これは記憶のテストです」と説明して同じ実験をする
と、年配者の方だけ正解数が約3分の2に落ちた。「年だから覚えられない」との
自己暗示が能力を抑えてしまうという。」(聖教新聞 名字の言より引用)


これは自分自身の実力を自分で枠を造ることで本来の能力を発揮できなくなるという事
だと思います。
末法で南無妙法蓮華経のお題目を唱える事ができるのは「菩薩」である事は
日蓮大聖人がおっしゃるとおりまちがいありません。
また、南無妙法蓮華経を弘めれば、死後ではなく今、即身成仏ができるとも仰せです。
しかし、年令や学歴や病気を理由にしたり、様々な理屈をこねて弘教や学会活動が
「出来ない」と最初から決めてしまえば、出来ることもできなくなります。

自分だけの唱題だけなら、お題目をあげてはいるものの自分が菩薩であるという事
すら信じられなくなるのも当然です。
菩薩の行をせずして菩薩もなにもあったものではありません。

そのような状態では「法華経を持つとも無益なり」(生死一大事血脈抄)と喝破されて
いることを、成仏を目指すならば心に深く刻んでおきたいものです。

さて残念ながら、今年の名月は全国的に台風接近の影響で雲に隠れてしまいそうです。
せっかくの中秋の満月も暗雲が垂れ込めばみることができません。
なんだか、今の日本の状況と重なっているように感じます。
しかし、雲はいずれ去り晴れます。
来年はすっきりとした満月をみられるように諸処の問題が解決するように私たちなりに
できることをしてまいりましょう。
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