140年目の西南戦争と会長勇退

本日2月22日は、 ニャんニャんニャん の猫の日とされて久しい。
制定は昭和62年のことなのだそうだから、かれこれ30年になる。
しかし、いまから日本史上最期の内戦「西南戦争」が勃発した日が
2月21~22日であることをご存じの方は、そう多くないように思う。
江戸幕府を終わらせ、明治政府の立役者となった西郷隆盛が中心
となった薩摩士族らが、官軍護る熊本城への総攻撃を仕掛けた
のは1877年(明治10年)の2月22日のことで、本年は、140年の佳節
にあたる。

西郷隆盛は明治政府に征韓論を用いられなかったことを不服とし
自ら陸軍最高司令官を辞し、故郷の鹿児島に下野したのだが、
これを期に政府側であった多くの鹿児島出身の陸軍士官や近衛兵
らまでもが帰郷してしまった。(1873年)
明治政府も諸外国に遅れまじと強引な政策を推し進めた結果
元武士である士族らの不満も募り地方で一揆や小規模な戦闘
が起こるなど政情が安定しているとまではいえなかった。
また徴兵制をしいた官軍が反政府蜂起の動きを鎮圧したとは
いうものの、官軍側の中核となっていた薩摩士族らが政府を
みかぎったことで、反乱軍と化してしまうことを恐れることとなる。

鹿児島に下野した西郷隆盛は一般人として隠棲生活をおくって
いたのだが、1874年「私学校」を創設し、鹿児島の士族らに銃術と
砲術を教練するなどしていた。
当時、西郷は反政府軍の錬成を意図していたというわけではなく、
むしろ仕事を失った士族等に対し私的に指導を続け陸軍士官を育て
公に対し暴発しないよう配慮していたといわれている。
ところが、私学校が鹿児島県内に130以上の分校をかかえるように
なり学校関係者だけで一万人ほどの勢力となると、明治政府の政策
に異を唱えるようになり、一部の関係者による陸軍火薬庫の襲撃を
キッカケとして薩摩軍を編成するに至り、政府に上奏するため
鹿児島を出兵。 作戦を定めることなく武装蜂起したのだ。

倒幕から西南戦争に至る経過は後日、作家司馬遼太郎による
小説「翔ぶが如く」がベストセラーとなり大河ドラマにもなりました。
当時国内最強と言われたとはいえ薩摩軍がなぜ無謀とも思える武装
蜂起に至ることになってしまったのか。
司馬遼太郎氏はその理由の1つに成功による組織的な「慢心」を
あげているので引用したい。

○薩軍には「勢い」ということ以外に、戦略らしい思想はなかった。
 このことは多分に西郷や薩軍幹部の戊辰戦争における体験に根ざしている。
 (略)
 「戦争とは勢いであり戦略などは要らない」という教訓が勝利者の西郷や
 桐野以下の骨髄に浸み込んでしまい、さらに桐野以下にすれば、時勢が
 西郷を生んだにもかかわらず、西郷個人が逆につねに時勢であるという
 錯覚を持つにいたった。ひとたび西郷が動けば「時勢」が西郷によって
 雲のごとく風のごとくつくりだされていくという倒錯――あるいは宗教感情――
 というべきもので・・・・
 【あべひ注:桐野=桐野利明、薩摩軍の参謀の一人】
(以上司馬遼太郎 「翔ぶが如く」 第七巻 (西郷の日々)より抜粋引用 )



歴史に翻弄され続けてきたといってよい西郷隆盛の最期の失敗は、同志や
弟子らに担ぎ上げられ、それを受けてしまうことで士族の不満を押さえること
ができるかもしれないと考えてしまったからではないだろうか。

今、聖教新聞紙上で掲載されている小説「新・人間革命」はちょうど、山本会長勇退
の話題となっている。
一部の自称学会員氏は、この「会長勇退」について日蓮正宗宗門に対する当時の
幹部の落ち度だと批判し、幹部として責任を取らず、また責任を問わない会員らに
不信感を抱いて学会活動をしなくなったと述懐していた。
しかし、実際には会長自らが役職にこだわっていた訳で無く、むしろこれを機会に
山本会長に依存しすぎない新しい創価学会を弟子たちで作っていってほしいとの
願いが切々と書かれていた。
実際に、勇退を機に名誉会長となった池田先生は世界広布実現のために、より
力強く羽ばたかれ、会長時代にあまり受けられなかった世界の学府や自治体から
の栄誉を受けられることとなり、現在もその数は増えている。
(参照リンク: http://www.soka.ed.jp/top/introduce/honor/index.html

もし、池田会長が昭和54年に弟子達の要望に応じ「勇退」されず、
日蓮正宗宗門との全面対決の「時勢」に流され、学会として
神格化されてしまったのなら、西郷らが率いた薩摩軍のように
一般会員らも消耗戦を強いられズルズルと後退していたかもしれないのだ。

そう考えると、「会長勇退」も創価学会の負の歴史ではなく、感慨深いの
ではないだろうか。






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